ご 挨 拶
大阪海外子女教育・国際理解教育研究会 会長 福澤 隆治 大阪海外子女教育・国際理解教育研究会(略称:大海研)は、在外教育施設での勤務から帰国した大阪府・大阪市・堺市の教員が中心となって組織している研究会です。また、各都道府県においても研究会が組織され、それらは、特定非営利活動法人 全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(略称:全海研)として、帰国子女教育・国際理解教育の一翼を担っています。 在外教育施設は、日本の主権の及ばない諸外国に在留する日本人の子どもたちのために、「学校教育法に規定する学校における教育に準じた教育を実施することを主たる目的」として海外に設置された教育施設のことをいいます。この在外教育施設は、日本人学校、補習授業校があり、日本国内の小中学校と同等の教育を行うことを目的とする全日制の教育施設が日本人学校です。また、現地の学校やインターナショナルスクールに通学している日本人の子どもたちのために、土曜日や放課後を中心に一部の教科について、日本語で授業を行う教育施設が補習授業校です。平成29年4月現在では、世界50ヵ国89校の日本人学校に約2万人が、55ヵ国212校の補習校に約2万7百人の日本人が学んでいます。 大阪からは、毎年4月はじめに30名を超える先生方が世界各地に派遣されます。そして、3月末には2年または3年の任期を終えた先生方が帰国されます。世界各地で、様々な環境の国に派遣された先生方が、現地で学んでいる子どもたちのために、それぞれの経験と工夫と、さらに大阪人の持つエネルギーを武器に、子どもたちの笑顔と元気と「わかった」を作り出された実践を持ち帰り大阪の教育に貢献しています。この研究会の活動が、先に帰国した私たちにとって、国際理解教育推進のための活力になるとともに、これから派遣を希望している先生方に「ぜひ私も海外の子どもたちのために働きたい」という熱意を沸き立たせるものだと確信しています。 大海研では、5月に帰国報告会兼希望者研修会、9月に派遣希望者研修会、2月に壮行会兼希望者研修会と、帰国された先生方の派遣中の活動や帰国後の教育実践を通して、大阪での海外子女教育・国際理解教育を進めていく取り組みを行っています。また、全海研や近畿ブロックと連携し、様々な事業を進めています。 平成32年度からは、外国語活動(英語科)が、新学習指導要領で導入されます。全国各地で先行実施され、グローバルリーダーの育成に連動していきます。在外教育施設では当たり前のように行われている外国語活動の授業が、日本の教育現場で、本格的に始まります。在外教育施設で、英語だけでなく様々な言語での外国語活動を経験された先生方の教育実践が、これからはますます必要とされます。派遣経験教員をはじめとする会員がともに手を携えながら、グローバルな教育を進めていきましょう。 |